「老後不安」「老後資金2,000万円」関連の記事が多い中、めずらしく老後準備ができていて、しかもまだ働き盛りの53歳で早期退職しても十分にやっていけそうな人の例(電機メーカー53歳男性が早期退職しても老後不安がない理由https://news.livedoor.com/article/detail/17225151)がありました。元々がかなり恵まれた環境にあった人のため、普通の人が老後に備える例としてはあまり参考にはならなさそうですが、一つの例として触れたいと思います。
比較的恵まれている人の例
記事中には「電機メーカー53歳」とあるので、何となくそれだけでも働き手としては恵まれている方の人であることが窺えますが、内容を見るとその通りで、あまりに良すぎる例のため参考にならないというコメントも多数ありました。
この電機メーカーに勤めるという53歳男性ですが、まずは年収が800万円・金融資産も豊富・投資用不動産も3戸持ち、ローンも大半は返し終えていて、かなり基盤は堅い状況です。
月収20万円程度とそれほど多くはないながらも奥さんも会社員として働いているため、この方は早期退職する予定とのことですが、不動産からの上りが毎月12万円あるようなので、それと奥さんの月収があれば確かに十分に生活できます。
加えて4,000万円以上の金融資産もあるわけですから、安全に年利で2~3%のもので回せば、不動産と合わせて年収200万円以上は堅いともいますが、今のところ金融資産からの上りは無さそうです。
代わりにもう1戸増やすことを検討しているとのことで、それであれば単純計算で上りは年収160万円になり、生活費の大半はカバーしてくれますが、まだこの額では65歳までの間は少し生活費が足りないため全く働かないというわけにはいかなさそうです。ですが、あとは年金受給開始まで夫婦でそれぞれアルバイト程度の労働でも全然大丈夫でしょう。
もっと普通の人が老後に備えるにあたって
この記事のコメント欄にも多くみられる通り、例として取り上げらた男性はかなり恵まれているため、この人ほどの資産がない方は不安になるかもしれません。
ですがそれほど心配は要りません。この方の場合は不動産の購入に5,000万円掛けたわりにはローン返済後も約3%前後と利回りがかなり低いようです。月数万円を稼いでくれる中古物件は100万円~からでも市場に出ているので、ここまで大きな予算は全然必要ありません。探せば数百万~1,000万円程度で十分に月15万円稼げます。
冒頭の記事の筆者は、不動産にはリスクがあるため、なるべく多く金融資産に振り分けるように、と説いていますが、不動産は金融資産よりも自由が利き、自分でコントロールして危険を回避することが可能です。株式は確かに流動性がありますが、自分が経営に参加するわけではないので、買い付けた後は毎年議決権を行使する以外には何もできません。不祥事等は防ぎようがない部分もあります。
金融資産としては幾らか持っておく場合、株式の高配当銘柄いくつかに長期で積み立てて行けば、毎年数十万円を生んでくれる自分だけのファンドが出来上がります。ここでも大きな予算は要りません。
現在保有している資産額が小さくても、投資はいつからでも始めることは可能なので、もうダメかもといった心配は要りません。