先日ここで「いいお学校を出て、いいお仕事に就き、いお給料を…」のサイクルが崩れたことに触れましたが、その裏付けとなる数字を見つけましたので、今回は、お勉強して・働いて・幸せになる、がどうして難しくなってしまったのかについて触れたいと思います。
オジュケン的な「お勉強」で積んだものを、高く買ってもらえない
まずは、お勉強のパワー劣化の証拠からですが、こちらの「高学歴でもフリーターになってしまう理由とは?正社員化は狭き門という現実」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191029-00014083-toushin-bus_all)によると、2001年にはフリーターになる大卒者以上の人は約1割、2016年には実に大卒者以上の4割をも占めるようになり、確かに、一生懸命にお勉強しても働かせてもらえる保証さえないというように状況が大きく変わりました。
フリーター化した要因についても分析があり、「やむを得ずフリーターに…」という人が年々増えて全体の約35%を占めていて、これが十分な稼ぎを得られず貧困に陥る原因となり、家族や子供を持つことができない一番の理由となっているとあります。
しかも日本では、若い時の最初の就職が上手くいかないと、その後で正社員/正規職員のポジションの仕事に就くのは難しいので、フリーターのポジションが固定化されてしまいます。
そうなると、もしそれまで親に数千万円の教育費を注ぎ込んでもらっていた場合、それを投資として見ると利回りは完全にゼロとなってしまうため、いくらお勉強した本人の頭の中に知識が残るとはいえ、それを使う機会が与えられないのであれば、結局それは何も持っていないのと同じです。
先程の記事ではさらに、残業時間が長い職に就くと男性は離職しやすい、45歳以上で転職すると年収が下がる傾向にある等、ああやっぱりなと思える調査結果が出ていますが、それらについてはまた別の機会に触れたいと思います。
人間の場合は、2~3千万円掛けて結局何もならなかったとしても、わりと「仕方ない」で片づけられてしまうのですが、投資利回りゼロというのはどうなんでしょう。
何に投資すべきか
それだったら、教育に関しては公教育のみで大学も公立のみに行かせて、入れなければ就職させる、別枠で2~3千万円分の現物資産(不動産や株式)などを何か渡してやる方がよかったのではないでしょうか。
人間に身につけさせるもの/ことでさえも利回りで考えると冷たく見えるかもしれませんが、それくらいシビアに見ないと蓄財は難しいものです。
多くの人は、いまでも古きアカデミックな勉強の教育費を、子供のために絶対必要な投資として見ているようですが、現状を見る限り、今は普通にただお勉強しただけの学生を高くは買ってくれないので、従来型の普通の「教育」は回収の見込みの薄い投資と言えそうです。