結婚が難しくなったせいか、最近やたらと女性の老後不安をあおるような記事ばかりが多く出回っているような気がします。「老後2,000万円問題」のとらえかたは人ぞれぞれで、金額を聞いてパニックに陥る人もいれば、そんな額じゃとても足りないという人もいるし、貯えがなくても定年の無い専門職で稼げれば大丈夫という人もいて実に様々ですが、色々調べている中、この問題に振り回されることなく力強く生きる女性について書かれていたものを見つけたので、今回はそれについて触れたいと思います。
婦人公論の特集で4回にわたって女性の老後について綴るシリーズ中、「50歳でリストラ。ひとりで生きる中見つけた生きがい〈シングル女性のサバイバル・3〉」(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191027-00001114-fujinjp-life)に登場する女性は、若い頃に男性との出会いはあったものの残念ながら結婚には至らず、長年正社員として教育関係の仕事に就き、50の時にリストラに遭い、その後は派遣労働で様々な職種に就いて今年65になり定年を迎えたとあります。若いころに実家の危機で大きな負債を抱えてずっと苦難の道を歩んできたようですが、途中、子供の面倒を見るやりがいのある仕事に出会えたり飲み仲間がいたりで、乗り越えてきたようです。
精一杯生きてきた中で、何とか確保した老後の資金はリストラ時の退職金の残りとこれから支給される年金のみらしく、記者の「不安はないのか?」に対しても、今までも乗り越えてられたので、新しいアルバイト探しにも積極的で、先のことを心配し過ぎるよりも、これからの毎日を楽しもうと前向きです。
自分にとっては彼女の気持ちの持ちようがとても参考になりましたが、これが単に興味本位に探るようなものであったのならば、記事へのコメントにもあるとおり、不遇で懸命に生きている人をそっとしてあげておいて、と思ったりします。
あらためて、人が最後まで生きるのは本当に大変なことだと思います。
数字に気圧されないための本当の財産
読者のほとんどは女性の考えに賛成で、彼女のような気持ちの持ちようこそが最強で、分かり合える友達こそが一番の財産で将来の不安を無くすには重要と納得のようです。
ここでもいつも老後不安をなくすためには、現金よりも稼ぎ続けてくれる資産を積み上げようとアドバイスしていますが、確かにそれで経済的な意味での不安は全て無くすことはできても、漠然とした不安全てを消してくれるわけではありません。
お金があると生きていく上での選択肢が増えて、何をするにしても有利で楽にはなりますが、どんなにお金を用意しても結局は将来というものへの不安自体はどうしてもなくならないですし、健康を害してしまえば、せっかく積み上げたものを使わずに終わることだってあり得ます。
経済的に不安が無くても、周りに一緒にいてくれる人が一人もいなければ寂しいものです。お金がなくて困る場面でも、仲間がいてくれれば何か別の方法で助かることもあるので、生涯付き合える仲間がいてくれるというのはお金以上に大切だったりします。