額だけを聞いて心配し過ぎとも思ったのですが「老後資金としての必要な2,000万円」の衝撃は大きかったようです。先日もまた都内に住む女性が抱える老後不安について書かれた記事(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190924-00010004-moneyplus-bus_all)を目にしました。まだ30代半ばとのことですが、とりあえずしっかりと危機感は持っていて、浪費をやめたり貯めようとしていて、リスクなしで投資をしたい等(これは無理だと思いますが…)も考えており、大雑把にでも備え始めていることはいいことです。
将来一人で生きる、はわりと現実的
記事中の相談者さんは30代半ばの都内在住の普通のOLさんで、おそらく今の年齢になり、少しずつ老いていく親御さんを見て自分の老後が心配になり始めたようです。
現状では年収は手取りでボーナスも合わせて300万円強。そこから実家への入れるお金を合わせた毎月の支出を差し引くと、約半分が残るようで、年間50万円近くする習い事や年数回の旅行にいくと、毎年70~80万円くらい残している感じでしょうか。
将来の備えとして、習い事はやめてしまい、旅行もやめるつもりとありますから、年に150万円近く貯めれるようになります。定年まで今のポジションで勤めあげられるかどうかは分からないですが、仮に可能だとすると、あと二十数年間で3,000~4,000万円くらい準備できそうです。
ただし、これは趣味や娯楽に一切お金を使わなければという前提でなので、堅いことは決して悪いことではありませんが、人生があまりに単調で、歳をとったときに後悔しそうですから、FPもそのあたりは、もう少し楽しんでも良いかも+将来お金になりそうなことであれば投資として使うのはあり、とアドバイスしています。
支出をコントロールするのも大事
記事中の相談者さんは、老後もいま親と住む公営住宅に住み続けることを希望しているようでですが、家賃が9万円もするので、まずこの金額だけで、将来受給するであろう毎月の年金9~10万を使い切ってしまいます。思ったより少ないようにも感じますが、たしかにこれが女性が毎月受給する平均的な金額のようです(https://seniorguide.jp/article/1061180.html)。
そうなると毎月の生活費としての不足分は10~11万円となりますが、前述の人生の楽しみの多くをあきらめて作る3,000~4,000万円の備えがあったとしても、ギリギリです。
年金だけ、という状態であれば収入は少ないので、この状況では老後は支出を抑える必要があります。住む場所はもっと家賃の安いところに変えたり、もしくはそもそも歳をとると部屋を借りにくいので安い中古物件を買って移り住んでもいいかもしれません。その他の支出項目を見ると、普段からあまり贅沢はしていないようなので、これ以上削る必要は無さそうです。
さすがにリスクゼロの投資というのは無理
投資対象というものにはどうしても値動きがあります。どんなに備えても予期せぬことが起きたりはするものですし、基本的に、投資によって得られるリターンはそのリスクに比例します。
リスクがどうしても嫌いな人には、定期預金くらいしかありませんが、定期予期ではほとんど利子は付きません。相談者さんの場合は、まだ年齢も若く時間は十分に有るので、長期で積み立てれば、トータルで見れば増やせるチャンスはあります。
どうしても怖い場合は、配当利率が低くても値動きが少ない銘柄や大きなものではない築古の戸建てなど少額で買える中古物件などから家賃を得たりするのもありだと思います。
何もやらずに預金だけで持っているよりは、現物資産をいくつか持っている方が定期収入が長期で自分をサポートし続けてくれるので、使うと消えてしまう預金よりも頼りになります。
せっかくまだ若いうちに気付いたので
何よりまだ30代なので、多少「失敗」しても十分に学び次に活かせる時間があります。せっかく投資についても検討しているのであれば、「会社員である」という堅い収入源があるうちに、怖がらずに色んな投資にトライする方がいいかもしれません。