法人会の会報は、四半期に一回の頻度で送られてくるのですが、その中に最近、よくこういったチラシが同封されてきます。
以前、毎年年初に開かれる法人会の会合に出たことがあるのですが、参加していた多くの経営者の方々は大体60代後半~70代くらいだったので、このチラシにある通り、事業継承は確かに彼らにとっては喫緊の課題だったりします。
相続手続は結構難解かつ煩雑なので、特に税務申告の部分はプロに任せるのが無難です。手続は申告書類を提出すればすぐに受理されるというわけではなく、書類の提出後でも、国税から問い合わせは入ります(*この段階ではまだ「調査」ではありませんが)。そういった場合には、自分一人で直接対応することは難しいため、税理士さんに代わりに受けてもらった方が、面倒が起きにくくなります。
せっかくチラシを見たので他社さんがどのようなサービスを提供しているのか調べるいい機会と思い、この事務所さんのウェブサイトにて、料金を確認してみました。
すると、実際に相続税が掛かってくるラインとなる純資産1億5千万円以上のケース(*1億5千万円以下だと、基礎控除がそれぞれ30%ずつになった今でも、小規模宅地の特例による80%減免や生保の非課税枠一人500万円ずつを使えば、課税対象になる資産額がほとんど残らなかったかと…)で手続き代行費用は80万円、純資産2億円以上だと100万円、2億5千万円以上だと120万円、3億円以上の資産だと150万円、と料金は結構掛かります。
十数年前の相続手続き:
相続の手続きは今までに祖父(自分にとっては養父)・祖母(同じく養母)の二人の計2回分を経験していますが、それぞれ手続きにかかった費用は30~40万円ほどだったかと思います。もしこの事務所さんでお願いをしていたならば、初回(祖父)で150万円+2回目で(祖母)80万円の計230万円掛かっていたはずですが、それが計80万円程度で済んだわけですから、いつもの顧問税理士さんにお願いすることで、150万円近くセーブできたことになります。
幸い、2回とも遺産分割協議でひどくもめることは無かったため、手続きは非常にスムーズなものでした。
この事務所さんの場合はこの他にも例えば、土地1区画ごと(一筆毎というより物件ごとに)に5万円、また、非上場株式(おそらく資産管理会社の株式などのことだと思うのですが)などについては15万円の加算報酬が掛かるとありますから、総額はもっと増えてしまいます。ただ、土地については登記の代行も含めてであれば高くはなく、非上場株式については確かに時価の算出や評価に手間は掛かるので、少し高いくらい程度かなとは思います。出張費なども掛かるようですが、これはどこの事務所も同じですので、それほど大きな差はありません。
すんなり受理されるのであれば、高くは無いのかも:
1つ疑問に思うのは、
法人の顧問をお願いしている税理士さんであれば、法人税の税務申告以外にも、社長さん個人の2~3月の税務申告もお願いしているでしょうから、わざわざ他の事務所さんにお願いする必要もないのかなと思いますが、たまに、法人分だけをお願いしている人がいるということなのでしょうか…。
ただ、こちらの事務所さんは、年間の相続手続扱い件数が多く、他社よりも価格が高くともサービス内容は確かなもの、とありますので、申告内容自体はしっかりしているのではないでしょうか。書類提出後に、国税から問い合わせが入ることは少なくて済むかもしれません。
申告書類がすんなりと受理されやすいのであれば、高くないかもしれません。