先日、経済関連の記事(https://www.morecareee.jp/media/setainenshuhikaku-m-0504および https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1578/)にて、共働き世帯の実収入は平均で、月収で約61万円・年収約730万円と出ていました。バブル期には、片働きでもこれが普通だったイメージがありますが、 今はこの年収を夫婦二人で稼ぐのがスタンダードのようです。 一昔前から、「今の厳しい経済状況下で、病気やケガやクビなどによる一家総崩れのリスク回避するためには 共働きで頑張ろう」的なアドバイスが流行りはじめましたが、 働く人数を増やすだけでは病気やクビで生活できなくなるリスクは無くせません。それよりは、「働く」以外の稼ぎを増やすほうが、もっと安心を得られます。
世帯年収が少なくても多くても
まずは、世帯年収を増やすことが本当に救いになるのかを検証していきたいと思います。
給与所得者の平均年収は確か410万円前後だったかと思います。それに対して、世帯年収730万円ということは2倍弱の稼ぎがあるということですから、一見、
夫婦どちらか一人が稼げなくなっても生きてきていけるかのようにも見えます。
ただしそれは、もとから年収410万円の稼ぎしかないものとして予算を組んでいればの話です。
おそらく、730万円という稼ぎがあればほとんどの場合、家計に余裕があると思ってしまい、夫婦二人の合計年×5倍くらいのローンを組んでいたり、もしくは毎月の生活費として大部分を使い切ってしまっているのではないでしょうか。
もしそうであれば、一人に何かがあったとしても、もう一人が給料を稼ぎ続けているため、すぐに路頭に迷うということはないかもしれませんが、 それでも結局は世帯全体の予算が足りないという状況自体は変わらないので、いずれ生活は立ち行かなくなります。
その時もし一人当たりの年収分まで生活レベルを引き下げることができるのであれば、二人でその難局を乗り越えることができると思います。
ですが、いったん贅沢を覚えると、なかなか生活を切り詰めるのは難しいかったりもします。
世帯年収がさらに上で、例えば年収1,400万円くらいのパワーカップルといわれる世帯について見てみても、同じことが言えます。年収が増えて余裕ができた分は、そのほとんどが消費やローンの返済に回されてしまい、どちらかが倒れた時点で出費をカバーしきれずに立ち行かなくなるという点では、 どの年収レベルに到達しても、結果はあまり変わりません。
働いて上を目指すとなると、単純にその「上に居続ける」ためだけに衣食住などある程度の見栄えを整える費用を含めてかなり高額な維持費が掛かってしまうため、これは仕方がないことではあります。
つまるところ、給与所得をいくら増やしてもあまり楽にもならず、リスクを減らす手段にはなりません。
また、働いて稼ぐ場合、給料が高くなればなるほど、拘束時間が増えて組織への帰属義務も重くなるわけですから、負担が大きくなり、その状態で長くいればいるほど苦しくなります。
また、前述の記事には、「貯蓄額が低い世帯の数は、共働き・片働きでも同数あって、 ダブルインカムだからといって十分な貯えがあるわけではない」とあるとおり、たとえ一家に働き手が何人いても、それ自体が将来への備えになるわけではありません。
働く以外の収入源
永続的に一家の働き手を増やす、という方法をとらなくても、投資でもじっくりと着実に収入源を増やし続けることはできるので、たった一人だけでも前述の「パワーカップル」以上に無理なく稼ぐことは十分に可能です。
しかも、投資の稼ぎは働き手が背負うクビや病気のリスクとは関係がないので、「外で働く自分」よりも頼りになります。歳を取りすぎたら雇ってもらえない、といった不安も感じる必要がありません。
そういった意味で、働き手を増やすことはリスク回避手段ととらえるのではなく、将来自由になるための種銭を作る有効な手段と考えて、並行して「働く」以外にもしっかりと目を向けておくと良いと思われます。