たまに家賃の支払いがとても不規則な方がいます。とうとう支払えなくなって、最終的には出て行ってもらった方もいます。今回は、家賃の滞納などであまりに支払いが不規則なために最終的に退去してもらったものの、結局2年近くも掛かってしまった事例について触れたいと思います。
入居後すぐに支払能力を失った
問題となった部屋の元入居者さんは20代の方で、入居当初は携帯電話ショップに勤めていたようですが、わりとすぐに辞めてしまい、その後はずっと無職だったようです。入居から1年が経った頃だったか、家賃報告書を見ると「数か月分の滞納有」と載っており、その部屋の分の家賃が送金されていません。
当時の管理会社さんが言うには、実はそれまで数か月間は管理会社さん自体が家賃を立て替えて家賃として送金してくれていたらしく、滞納額がついに半年分を超えてしまったため、この先は入居者から回収するまで待ってほしいとのことでした。
元入居者さんの連帯保証人であるお父さんに連絡を取ってもらい、滞納分肩代わりをお願いしたところ、実は連帯保証人となっているお父さんも無職・無一文の状態だったようです。当時はまだ家賃保証会社の利用がそれほど普及していなかったので、どうやら審査時にいい加減な書類を提出してきていたようです。
それから2,3カ月の間に、当時の管理会社さんに他の親族を当たり続けてもらったところ、ある日、滞納していた数か月分と今後の家賃として3カ月分がまとめて支払われてきたようです。お金の出どころを問うと、元入居者さんのお母さんが、隣接市で歯科医として開業していて、今後しばらくはの支払いは問題なくなりそうとのことでした。
母親が肩代わり
その後も、5カ月分、2カ月分、3カ月分…と、息子さん(元入居者)が住んだ分を後払いするように不規則な額が振り込まれながらも、1年程度は歯科医であるお母さんが肩代わりしてくれていましたが、とうとう息子の肩代わりに嫌気がさしたのか、もう家賃を払いたくはないとのことで、こちらとしても、家賃の支払いが不安定すぎて、借りている本人が払わないのは異常過ぎるため、できれば早めに出てもらってまともな入所者を探したいと願ってましたので、そのタイミングで息子さんを引き取ってもらうことで合意しました。
何とかそのあとすぐに出てもらえたわけですが、これがもし支払能力がある親族が全くいなかったとなると、家賃未払い分は最終的にすべてこちらの損となり、出て行ってもらうにしても裁判と強制執行手続き等でさらに半年から1年程度掛かることになります。
残り家賃も退去時に元入居者のお母さんが払ってくれて清算できたので、当時は中々この件が片付かずイライラしたものの、最終的には何とか揉めずに収まってくれて良かったと思うようにしています。