先日「結婚相手に年収400万円を求めるのは高望みなのか?世帯年収のリアル(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190823-00010002-moneyplus-bus_all&pos=1)」というタイトルの記事が目についたので、今どきの結婚観などについて読んでみましたが、イメージに対し実際の統計結果がかなりちがっていたので、当たり前ながらあらためて、データの正しい読み方・捉え方が大事と感じさせられました。記事の結論としては大雑把に要約すると、年収400万円を一人で稼げる相手を求めるよりも自分と相手のそれぞれで200万円ずつとか稼げば上位50%には十分に入れます的な内容で、この額で?とは思いながらも、データを見る限りは間違ってはなさそうです。
世帯年収400万円で上位50%以内
以前ここでも働き手の平均年収420万円というのは本当の平均(中央値)から離れているかも、と触れたことがあるかもしれませんが、冒頭の記事でも使われている平成28年に厚労省が行った国民生活基礎調査(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h28_rev2.pdf)の結果を見てみると、たしかに平均年収は上位の人たちが押し上げている数値であることが分かります。
グラフを見ると、「世帯別」で年収400万円以下の世帯が5割強あって、年収400万円以上の世帯残り半分弱になりますが、これは「世帯別」ですから、ひとりで年間400万円稼げる人はこれよりも少なくなります。
厚労省の国民生活基礎調査「所得金額別世帯数の相対度数分布」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h28_rev2.pdf)より
年間600万円の稼ぎとなると筆者の言う通り全世帯の3分の1強しかなくて、しかも、もしかしたら二人以上で稼いでの話です。どこかで、若い年齢層で年収600万円以上稼いで独身の男性は3%程度とかいうのを見たことがありますが、たしかにむずかしそうです。
厚労省の国民生活基礎調査「所得金額別世帯数の相対度数分布」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-h28_rev2.pdf)より
一人200万円ずつでも可
冒頭の記事ではもっと現実的に400万円~の人で見てみようかとの提案ですが、グラフはもしかしたらそれさえも贅沢かもということを示唆しており、筆者の結論として、だれかに400万円を稼いでもらうことを期待して時間を無駄にするよりもあなたと相手の二人でそれぞれ200万円ずつ(とにかく二人で合計400)稼げば十分に普通レベル以上に入れますよ、とアドバイスしてくれています。
「ある程度稼ぎがあれば、いっそのこと自分が世帯主になるくらいの気概を持てば?」という提言も、男女平等の流れというか世相を反映していて、統計上は確かにそれもありと示されています。夢見るよりも自身で実現することは十分に可能というのはその通りな気がします。