ジュエリーを手入れしていたら、ずいぶん前に作成してもらったリングが見つかったので、今回はこちらのリングについてご紹介したいと思います。 以前同じようなハーフエタニティタイプのオリジナルリングをご紹介しましたが、この指輪については、ダイヤも少し大きめ(重い)のものを使い、地金は市販製品のリング流用ではなく純プラチナのシートを用意してもらって、完全なオリジナルのジュエリーとして作成してもらいました。
材料
ダイヤモンドはいつものようにアイン・インターナショナルさんで仕入れ、ブルー、イエロー、ピンクの3種をそれぞれ4石ずつ、内側中央用に透明のダイヤ1石を使用しています。天然のブルーはそれぞれ0.03ctで一番希少価値が高く値段も張るので1石あたり20,940円(*色が薄いもので良ければ1石あたり11,940円前後でも可)、ピンクはそれぞれ約0.025~0.03ctで1石あたり約10,000円、イエローもそれぞれ0.025~0.03ctで1石あたり2,000円前後で、中央に使うの白ダイヤはGカラー(比較的透明度が高い)のもので3,000円程度で入手可能です。合計で13万円強掛かりましたが、それだけ掛けただけあって、それぞれほとんど色に混じり気がありません。
プラチナのシートはいつもお世話になっている工房のGOSHOさんで用意してもらっています。純プラチナの使用量は約7~8gで、制作当時は1g当たり5,000円前後だったかと思います。
デザイン
リングのデザインは基本的に「平打ち」と呼ばれるタイプで、リング幅は5㎜・厚みは約2mmほどあります。幅がこれだけ太いと存在感があり、内側中央に透明のダイヤを埋め込んでも突き抜けないだけの十分な厚みもあります。
簡単にデザインした画をもとに、GOSHOさん工房ではまず平打ちタイプの原型を作り、溝を掘って2本のレールを残すようなイメージで、作成を進めてもらいました。
シンプルながらオリジナル
シンプルなデザインなので工期は約3週間で完成です。内側の刻印は当時流行り始めたレーザーで入れてもらいました。この頃はまだレーザー刻印できる工房が少なかったので、+1週間待ちとなったので、実質2週間で完成していました。
出来上がったリングを見て当時の店長さん自身も気に入ってくれたのか「ぜひこのデザインを使わせてください」とのことで、天然カラーを3色使うというリングはそれまでほとんど出回ったことがないようです。製作費はダイヤに13万円+地金に約4万円、工賃6~7万円(だったか)で計23万円~掛かりましたが、完全オリジナルものとしてはかなり安価です。
プラチナの価格は当時と比較してだいぶ下がりましたが、それでもカラーダイヤの原価は高いので、まだこういった複数の色を使うものはどこからも製品化はされていません。例えばトリート(放射線等で加熱処理したカラーダイヤ)もしくは「合成ダイヤ」(確かにダイヤながらも人工)を使えば安価でカラー3色を揃えられるかもしれません。地金自体も今は安いので、ある程度の数を生産できなくは無いような気もします。