仙台のアパートは、継いでから最初にそこそこの金額を使って買った物件です。当時お世話になった仲介担当者さんは既に七十代のベテランの方で、値下げに応じてくれた優しい売主さんも、あの時すでに八十に届こうかという御年でした。あれから十年以上が経ちますが、ときどき当時を思い出して今頃どうされているのか気になるときがあります。
仙台に買うまで
十数年前、継いだ物件の経営の立て直しが一通り終わり、そろそろ新たに収入減を増やしていこうかと考えて、いくつかの不動産業者さんにコンタクトを取り、色々と物件を見せてもらうことにしました。しばらくは、首都圏内でもう一つか二つくらい同じ規模の物件をと思い探していましたが、いつか起こり得る大地震のことも頭をよぎり、別の少し離れた地域にも持っておいた方が良いかもと思い、対象地域を広げることにしました。
そこで、全国に広くつながりがあって、物件情報も豊富に持っていた仲介会社さんを見つけて、実際に会い、どの地方が有望そうかを相談にのってもらいました。
色々検討した結果、仙台がわりと交通の便が良く、人口も多い、さらにじつは気候も東京とそれほど変わらず(温度が数度低く涼しい程度)、積雪も少ないということが分かり、対象地域を仙台に絞ることになりました。
(ここも今は住宅地に変わってしまいました)
仲介担当さんと売主さんが助けてくれた
その後、何回か仙台を訪れて、この地域の物件を購入するにあたって、仲介担当さんたちは、町も案内してくれて、物件周辺の商業施設や地域のふだんの様子など、細かく見せてくれました。「後日勝手に見てきて」という仲介業者さんも多い中、こういったサポートは有難いものです。
条件に合った物件を一通り見終わって、その中で気に入った物件に出会ったので、売主さんに買付け申し込みをすることになりました。当初、売出価格はこちらの希望より数百万円も高かったのですが、こちらとしては、なんとかここで原価を落としたいところなので、仲介担当さんに交渉を頑張ってもらい、最終的には何とか希望額での買い付けが通ることになりました。
売主さんとしては、「転売目的で買う奴には絶対売りたくない」とのことだったので、こちらとしては「お売り頂いたら長期で大事に使うつもりです。息子にも使わせるつもりで購入するわけですから、いったんお売り頂いたら、例え売主さんであってもお売りできません」と説明をお願いしたら、長期投資としての購入意思は本物であることが理解して頂けたようです。
そこまでの覚悟で使ってくれるのであれば、売りもするし協力もする、と言ってくれました。後日分かったことですが、購入が決まってから売主さんは、結構大きめの費用が掛かる外壁・屋根の塗り直しを売却に先立ってやってくれようなのです。パン屋さんを経営している売主さんには、二人の息子さんが居て、本当はどちらかに継いでもらいたかったようなのですが、二人とも賃貸用不動産というものがどう扱ってよいものなのか分からず、継ぎたがらなかったそうで、「若い方が代わりに継いでくれるならば、」ということで、できる限りの修繕を済ませてキレイな状態にしてくれていました。
仲介担当さんには、初めての購入なので気づかなかった点を色々フォローしてもらい、また、現地で信頼できる管理会社さんにつないでくれたおかげで、入居者募集もスムーズに進み、数か月程度で満室状態での経営を始めることができました。
今どうしているだろう
いつの間にか、あれから10年以上が経ちます。不動産投資においては、いい仲介担当さん・売主さんに巡り合うことはとても運のいいことで、上手くやっていくためには重要なことでもあります。ある日急に電話を入れて驚かれてもと思い、まだ連絡はしていないのですが、いい出会いを得られたことには、本当に感謝しなければと思います。