デジタル通貨

暗号資産レンディング

皆さんは、「レンディング」という用語を聞いたことがあるでしょうか?

このレンディングとは、例えばお金を貸すことと同じように、利息をとって貸し付けることを指します。

「レンディング」は貸借を意味する言葉なので、現金に限らず、「暗号資産のレンディング」ということも一般的に行われています。

暗号資産のレンディングの場合、「自身が保有している暗号通貨を取引所を運営している会社に貸し出し、金利収入を得る」という形で行われます。

株式の世界では、「貸株」というサービスがあり、これは具体的には、自分が保有する株式を証券会社に貸し出して、その株式を証券会社がマーケット経由でさらにヘッジファンド等へ貸し出して、利益は貸株料という形で受け取った後に、本来の持ち主である自分に利息が支払われるというものになります。

暗号資産レンディングというのは、これに良く似たサービスであると考えて良いと思います。

現在すでにあるサービスは

現在すでに、保有している暗号通貨を貸し出して、金利を得られるサービスというものは存在します。

海外では、こういったサービスを提供している取引所が一部あり、また、日本の取引所でも定期的にレンディングが行われています。

具体的には、取引所と顧客の間で、暗号資産の貨貸借取引契約を結び、なんと最大で5%の利率をのせて1年後に返金を受けるというサービスもあるのです。

これらの契約は、結んだ契約期間が満了すると、それぞれの顧客のアカウントに所定の利用料(利息)が加算されて、レンディングしていた暗号通貨が返金されるという仕組みになっています。

暗号資産の場合は法定通貨の預金と異なり、ただ単純に長期間持ち続けるだけでは利息はつくということはありませんが、レンディングすれば数%の利息がつくので、お得かもしれません。

レンディングの基本ですが、ユーザが取引所に対して貸し出した暗号資産そのものは、原則として所定の貸出期間を経過するまでロックされるので、すぐに引き出すことはできません。

その貸出期間が満了、または取引所がなんらかの理由で返却に応じる場合を除いて、この売却および送付はユーザが自由に行うことはできません。

レンディングの始め方

多くの場合は、取引所がユーザに対して募集をかけることで行われます。いつでも出来るわけではなく、その募集期間に応募することが基本となります。

例えば、ある取引所での募集が2019年〇月にあった場合、その募集期間の締切までに応募した分がレンディングされることになります。

レンディングが始まると、上記の通りロックされますので、その分の暗号資産はユーザが動かすことはできませんが、期間が満了すれば、取り出すことが可能になります。

例えば、1年間のみのレンディングの場合、開始から12ヶ月後が満了日となります。

大抵の場合は、満了期日の翌日が起算日となり、数日のうちに取引所内の自分のアカウントに、相当消費税額を含めた当該利用料が返還されます。

日本でも例えば貸暗号資産サービスというレンディングが行われて、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコイン、リップルの4つで、どのコインも基本的に年利5%(税込)に相当するコインを受け取ることができるとこともあります。

レンディングで注意すべきこと

レンディングは、一般的に預金商品でも預金保険対象としては見られません。暗号資産の相場は変動しますので、レンディングで貸し出した暗号資産が日本円換算では目減りしてしまうというリスクもあります。

また、日本国内においては、このレンディングの契約は一般的に消費貸借契約となるため、取引所などが破たんした場合には返却されないというリスクもあるわけです。 このように、暗号資産のレンディングには、メリットもあればリスクもありますので、レンディングせずに現物を自分で持ち続けた方が良いのか、レンディングして貸し出しておくかは自己責任としてよく検討した上で決めるべきでしょう。

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