暗号資産について情報を集めていると、ときどき「ハッシュレート」という言葉を聞きませんか?
このハッシュレートとはいった何でしょうか?
今回は、この用語について分かりやすくご説明します。
「ハッシュレート」は人気の指標
「ハッシュレート」とは、暗号資産のマイニングを行う際の計算力・採掘速度を指す言葉です。
暗号資産の多くはマイニング(採掘)が必要となり、例えばビットコインでは、約10分間にビットコインネットワーク上の多くのマイナーたちが我先にと「ナンス」(*前回の「暗号資産」(仮想通貨)を分かりやすく解説しますの4.マイニングとは?の項をぜひ参照ください)を解こうとします。
このように、多くの人数でひとつの「クイズ」を解くときのコンピュータの計算力の合計(具体的には、1秒間についての計算数)を「ハッシュレート」と呼び、ハッシュ/秒(hash/s)という単位で測ります。例えば、1メガハッシュ(1Mhash/s)といえば、つまり、1秒間に百万回の計算が行われる勢い、ということになります。
では、ハッシュレートが高い場合と低い場合では、どのような違いがあるのでしょうか?
色々な答え方がありますが、一つは、「人気度」のちがいであるといえるでしょう。
例えば、ある暗号資産が注目されて、それを多くの人が買おうとすれば、価格が上がります。そして、その通貨を多くの人が使えば、送金が起こりますので、その取引を認証するためにマイナーが仕事をして、規定の報酬が与えられることになります。
価格が上がっていく通貨をマイニングすれば、将来的には儲かる可能性があります。ですから、多くのマイナーが集まってきて、その通貨のマイニングをするので、ハッシュレートは高くなります。
つまり、ハッシュレートが高い通貨は、多くのマイナーが競い合ってマイニングしていて、それは通貨にとっても「健全である」と言えるでしょう。
また、人気面以外にも、このように説明することも出来ます。つまり、
「ハッシュレートが高いということは、つまり、多くの人たちに監視されている状態であるため、そのコインは信頼性が高い。」
ハッシュレートが低い状態というのは、何を意味するのか?
反対に、ハッシュレートがとても下がっているということは、どういう状態でしょうか?。
つまり、少ない数のマイナーしかいなくて、ごく少数でその通貨の取引を承認している状態です。
こうなると、取引の認証も遅れて、送金が遅くなる上に、少人数しかいないため、暗号資産の弱点である「51%攻撃」(悪意ある者もしくはグループが、全ハッシュレートの51%を支配して、不正な取引を認証すること)が起きやすくなる状態と言えます。
その場合、通貨の安全性に不安があるということで、買う人が減ってしまい、結果、その通貨の価格も下がることになるでしょう。
では、ビットコインのハッシュレートはどうなのか?
下記のURLにアクセスすると、今現在のビットコインのハッシュレートを確認することができます↓
https://www.blockchain.com/charts/hash-rate
グラフを見ると、他の暗号資産よりも圧倒的に高く、ハッシュレートがずっと上がり続けていることが分かります。マイニングという観点で言えば、ビットコインよりもハッシュレートの高い、つまりは安全な通貨はありません。
以上が、ハッシュレートのおおまかな説明となります。
現在のハッシュレートの動きは?
ビットコイン等の主要通貨に関しては、マイニングマシンの性能向上や、大企業による投資によって、ハッシュレートは今も上昇し続けています。
それに伴って、マイニングに消費される電力量が、通貨の価値の上昇に本当に見合っているのか、また、実際の取引での使用が十分に普及しているとはまだ言えない暗号資産というものに、これほどの電力を使うことが果たして正しいことなのか、といった色々難しい問題も見えてきます。
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