この家を建てかえてから10年以上が経過し、当時ハゲて土が剥き出しだったこの庭にもようやく再びコケが生え揃い、緑が戻りました。
この庭にはもともと狭いわりに多すぎる数の木が植えられていたため、家の建てかえを機に、虫が付いて手が掛かる樹木はすべて撤去して、残すものもバランスをとるために別の場所に植え替えをしました。その際に、それらの木の周辺に繁っていたコケが剥げ落ちてしまい、少量がまばらに残った状態となってしまいました。
コケを復活させた方法ですが、この庭は湿気も多いのか、「庭」として使うつもりがなかった隅っこの土にもよくコケが生えてくるため、それらを丁寧に掘ってかき集めては、庭の土が剥き出しの箇所に移植する、という作業を繰り返しました。
コケを抜き取った箇所には、1~2ヶ月もすれば、新しいコケが生えてくるため、ひたすら前述の作業を繰り返します。真夏と真冬以外はコケがよく再生するため、この移植作業を2年程度繰り返してようやくハゲが気にならない程度に生え揃ってくれました↓。
↑門灯近くは再生しましたが、写真中央の石のすぐそばは、この時まだハゲていました。
庭にもともと生えていたのはおそらくはコツボゴケ(?)という種類のコケで、摘むと数センチの長さの毛のような感じで生えていることがわかります。それに対し、隅っこで生えていた苔はいくつか違う種類が存在し(ギンゴケ、スナゴケ、ハネヒツジゴケなど、どうやら湿気の具合によって、生えてくる種類が全く異なる)、その中でもメインのものは触ってみるとコーデュロイのようなサラサラした手触りで、これを庭に移植すると、徐々にコツボゴケ(?)と同化するらしく、お互いの成長力の相乗効果で全体が緑に変わるスピードが速まります。
(全然種類が異なるものの、最終的にこれが庭のメインのコケと同化する)
苔を育てるにあたって注意すべき点がいくつかあり、まず、直射日光が苦手です。夏場に長時間直射を浴びてしまうと、苔はカラカラに干からびてしまいます。その日のうちに水をやると復活しますが、周辺が育つスピードは確実に遅くなります。乾燥も苦手で、冬場はほとんど育ちません。カラスも苔の大敵で、良く育った苔を目にすると、それを掘り返して遊ぼうとするため、年明けから春先にかけて、毎日少し庭に出て彼らを牽制する必要があります。
毎日の苔の手入れで一番厄介なのがこのゼニゴケです。これを放っておくと、本当に育てたいキレイなコケを侵食してしまい、あっという間に汚らしい光景が広がってしまいます。しかも、単に汚らしいというだけでなく、害虫も呼び寄せるという実害もあります。手間は掛かりますが、見つけ次第、細目にすぐに除去するのが良策です。特に春先から梅雨の間に、なるべく多く除去してしまうことをおすすめします。
コケを育てるには手間が掛かりますが、一日の終わりに庭先に出て緑を眺めながらくつろいでいると、心が落ち着ちついて癒されます。日々の手入れは確かに大変ですが、自分だけのもの感もあり、安らぎも得られるため、それだけの価値はあるかと思います。