賃貸物件は、サブリースに出さず、管理会社さんに普通の契約契約で預けて経営する方が、手残りも多く、オーナーのコントロールも効くのでおすすめです。
サブリース期間中は、基本的に家賃設定を変えられず、ちょっとしたアイデアを取り入れて部屋を改良することも難しくなります。
先日、散歩の途中にレオパレス近くを通りかかったため、ふと、昔2年間だけ結んでいたサブリース契約のことを思い出しました。数年前、スルガ銀融資やレオパレス物件などで、サブリース契約の賃貸について、様々な報道が出ましたが(彼らは一昔前に流行った「入居者追い出し」はやっていないと思いますが)、今はどうなっているのでしょうか。
売上も落ちて、訴訟を抱えて苦しい中で、預かっている物件を修繕しつつ(リフォームどころか建設時の施工不良でも問題になっていますが)、上手く稼働させるのは難しそうですが、物件を預けているオーナーさんたちは今どういう思いなのか気になります。
(以前はここで、賃貸物件建設を検討しているらしきオーナーさんたちをよく見かけたものですが)
サブリース契約とは、管理会社がオーナーから賃貸物件を丸ごともしくは区分所有マンションの一部屋などを借り上げて、第三者に貸し出すことによって(オーナーは家賃保証を得る代わりに、通常より少し高めの管理料を支払って)毎月定額の家賃が支払われるスキームです。オーナーさんが得る家賃収入は、月額賃料の8~9割くらい(管理料は多くて2割くらい支払う)です。契約期間は2年で、更改時には、家賃の見直し(大体減額される)が入ります。
千葉の事例(画面トップの写真の物件:1K×8部屋のアパート):
10年以上前のことではありますが、基本的に仕組み自体は現在も変わらず、参考になるかと思いますので、千葉に所有するアパートについて、新宿区の不動産会社さんとサブリース契約の事例について少しお話します。
相続前は、家族内で他に誰も賃貸経営のために動けなかったため、千葉の物件は一時期、サブリース契約で預けられていました。この時の不動産会社さんとは、家賃保証料含めた毎月の管理手数料は賃料の15%(定期清掃を入れると計20%)でした。サブリースの契約期間中には、こちら側への家賃報告と支払いが滞ったことは一切なかったので、オーナーに対する義務はきちんと履行されていましたが、頻繁に少額の修繕費の請求書が来ていました。
家賃報告書の経費詳細を見てみると、「鍵の交換」が多く発生していました。たった2年の間にドアの鍵だけがそんなに頻繁に壊れるはずはないので、この会社自体についても色々調べて見ると、どうやら、家賃を払えない入居者さんの部屋については、すぐに部屋のカギを交換してしまい、部屋を使えなくして入居者さんを追い出していたようです。
部屋によっては入居から一年も経たずに、修繕費の請求書が送られてきて、家賃報告書に載っている入居者の方の名前も変わっています。払えないと見たら即刻カギを交換、を実行していたのでしょう。この不動産会社さんは何度もこれを繰り返して問題となっていたようです。
契約満了が近くなったある日、都内以外の遠くにある物件はもう管理しきれないとのことで、彼らのほうからサブリース契約解除の申し出を受けました。当時、彼らも入居者追い出しに関する訴訟を抱えていて、随分と経営が苦しそうでしたので、まともな管理は期待しにくい状態にありました。ちょうどこちらも相続のタイミングにあり、自分で直接地元の不動産屋さんとやりたいとも思っていましたので、すぐに引き取ってもらえそうな管理会社さんを探し出し、サブリース契約を解除することになりました。
結果的には、彼らと早いうちに関係が解消出来たことで、助かったのかもしれません。直接の関与がなくても、入居者追い出しのアパートのオーナーだということで、訴訟に巻き込まれていたかもしれません。
サブリース契約は、家賃保証料が上乗せされた管理料も高く、オーナーの取り分が少なくなります。サブリース契約の更新時には、預かる側の負担を減らすために、必ずと言っていいほど月額賃料を下げたいとの申し出が入るようです。また、契約期間中も修繕費自体はオーナー負担で発生してしまうわけですから、それならば、最初から普通の管理契約で、地元の管理会社さんと協力して長く満室で経営した方が、取れる家賃の下がりにくく、手残りも多いのでお得です。