十数年前の相続の際に、ゼネコン株も数銘柄入っていました。単元未満で配当額も大きくはないため、長い間そのままにしていましたが、今年もこの「単元未満株式(1~99株)買い取り請求のご案内」が来ました。書類取り寄せや名義の書き換え手続きに掛かる労力に見合ってないかもと思ってしまい、ずっと放置していたため、未だに祖父宛に届きます。
祖父が建設業関連をどの程度買ったのか、なぜ中途半端な株数だけ残っているのか等の記録がなく経緯も分からないので、とりあえずどのような会社なのかなどについても幾つかのページで調べて見ました。
建設業界というと、不景気で長く冷え込んでいた時期もあり、配当利回りが低そうなイメージを持っていたので、これらの銘柄については殆ど興味がなかったのですが、現在の状況は少し違うようです。
今回通知を受けた分には配当金は一株当たり100円とありますが、昨日の株価終値を見ると3,310円、来期の配当は120円/株に増配されるようです。配当利回りは3.6%とわりと高めの方ではあります。
熊谷組は、福井市発祥の準大手ゼネコンで、新宿野村ビルディングなど数多くの超高層建築を手掛けており…とあります。海外工事の実績も豊富なようで、建設関係だけでなく、土木部門についても技術力の高さに定評があるらしく(特にトンネル工事)、例えば青函トンネルなどの難工事にいくつも携わった、とあります。リニア中央新幹線の実験部分の施工も受注しているようです。
近年はアベノミクスの恩恵を受け、またオリンピック特需もあり、業績がかなり回復し、苦しい経営状況から脱したとあります。社員さんの平均年収の額も780万円と高く、一昔前のイメージと異なるようです。
特需はいつか終わるものですが、その一方で、人手不足・資材高騰は続き、虎ノ門周辺やそのほかの街を見ていると、再開発工事はあと数年以上は掛かりそうな様子もあるので、業界全体としていつ天井を迎えて下落し始めるのかが読みにくいところです。
今回の通知で、分かりにくい状態(祖父の証券口座は既に存在しないので)で散らばった株式を、株主名簿管理人としては早いうちに買い取って、負担を軽減しておきたいのでしょう。
こちらとしても中途半端な保有数なので、買い取りに協力してスッキリさせてしまいたいところですが、この手続き、まずは相続したことを通知するところから始めなくてはならず、そのためには十数年前の資料の中から遺産分割協議書を探し出し、祖父の改製原戸籍を取り寄せたり、また(これは簡単な作業ではありますが)、個人番号が必要だったり(株式の譲渡代金や地代支払いなど個人向けの支払の法定調書には、記載義務があるため)…、と色々面倒です。
買取りの対価に見合った作業かというと微妙です。
買い取り請求制度の概要を読むと、「買い取り代金は買い取り請求の効力発行日(株式名簿管理人に買い取り請求が到着した日)における東京証券取引所の終値に、買い取り請求株式数を乗じた金額」とあるので、株価が高い時期に手続きすることも可能なようです。
選んだ銘柄ではないけれど、暫く持つ
一応、増収・増益の予測が出ており、1~2年は持っていて悪くは無さそうな銘柄で、時間もまだ十分に有りそうなので、動けるタイミング程度でよいかなとも思っています。
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