ネム(NEM)というのは、「New Economy Movement」というブロックチェーンを用いた新しい経済プロジェクト名の略称です。
いわゆる「ビットコイン2.0」というビットコインより新しい技術や概念を使用している仮想通貨プラットフォームに属するのですが、このプロジェクトでの使用通貨は「ゼム(XEM)」と呼ばれるもので、ユニークなことに開始の時点ですでに8,999,999,999XEMが発行済みで、これ以上は供給されないというルールになっている仮想通貨です。
NEMの普及促進を目的とした「NEM財団」という国際的組織がシンガポールに存在し、ここ(NEM.io Foundation Limited)がNEMの開発支援等を行っています。
NEMは日本のテックビューロ(取引所のZAIFを運営する会社)と関係が深く、ZAIF代表取締役もNEM財団に関わっています。
NEMで使われる貨幣「XEM」は、そのアルゴリズムとしてPoI(プルーフ・オブ・インポータンス)を採用しています。
一般的なPoWではなく、取引を活発にすればするほどポイントが上がり、ブロック生成権利と報酬を受けることができるというシステムです。
このような方式であるため、「マイニング」という表現が使われず、「ハーベスティング」と呼ばれています。
PoWで必要な強力なマイニングPCなどが不要なので、気軽に(参加条件がありますが)10000XEM以上を保有して、ハーベスティングに参加することができます。
ちなみに「ローカル・ハーベスティング」という方法と、「デリゲート・ハーベスティング」という方法があり、特徴があるのは後者で、これは自分のノード(PC)をオンラインにしていなくとも、上位のノードなどへ委任してしまうことで、オフラインにしても報酬を得る権利が入ってくるというものです。
これはビットコインのようなPoWマイニングでは有りえないことで、珍しい方式だと言われています。
ネムの現在と今後
NEMの最新ファンダメンタル情報としては、NEMの技術を踏襲して作られているテックビューロのプライベートブロックチェーン製品である「mijin」がアップグレード(v.2)され、「カタパルト(Catapult)」と名付けられたバージョンがとうとう2018年5月にリリースされる予定とのニュースがあります。
噂ではこのCatapultは前バージョンより大幅な処理速度の高速化がなされており、ビットコインにSegwitを実装した場合に比べても、数百倍(具体的にはカタパルトでは1秒で4000トランザクションを処理できる)もの処理能力があると言われています。
これはVISA社の処理能力にかなり近づいており、将来的にこのテクノロジがNEMのほうへ実装されれば、XEMの相場は飛躍的に急騰するのではないかと噂されています。
まずはテックビューロの製品「mijin」の最新版「カタパルト(Catapult)」のパフォーマンスが注目されることでしょう。
さて、コインチェック事件ですっかり知名度があがったNEMですが、マイナスイメージが広がるかと思いきや、実際はそうではなく、日本国内でのサービス、買い物などの消費で支払いにXEMを使用できる所が増えています。
2018年5月現在は全国各都道府県の飲食店や美容室などをはじめとした様々なジャンルのお店が紹介されています。
2018年4月30日の時点では、日本国内での飲食店、美容(サロン、エステ等の実店鋪)、自動車関連、衣料品、観光・宿泊施設、食品販売、物販、カルチャーセンター、貸しスタジオ、書類作成代行、娯楽など様々な業種でXEM支払いを受け付ける会社・店が現れてします。
XEMの相場ですが、最近の3ヶ月スパンでは、最高値の60円超えから、4月初旬の20円台まで振り幅が大きくなっています。
しかし、その他の仮想通貨の動きもビットコインの相場の影響でかなり乱高下しており、むしろXEMの値動きは穏やかな方で、今後はビットコインがUSD10000を抜ける方向で動いて行けば、続いてXEMもゆっくりと上昇トレンドに入っていくものと見られます。
ネムの取引について
さて日本国内では、これまでXEMを購入できる国内取引所はzaif(ザイフ)とcoincheck(コインチェック)があります。
ただし、coincheckは2018年冬に企業トップの甘いセキュリティ対策の結果大量のNEMが盗まれるという事件を引き起こしました。
金融庁に登録している仮想通貨交換業者なら絶対に安全だとも言えませんが、すくなくとも登録も出来ていない、粗末なサービスの取引所をわざわざ利用することはありませんね。
当サイトでは金融庁の仮想通貨交換業者に未登録の企業が運営する取引所でコインを買うことはお勧めしません。
未登録の業者からXEMを買うのは避けましょう。